◆ふるさと納税をしている人が増えている
ふるさと納税制度は納税者が、住んでいる場所以外の自治体に寄付し、
寄附金控除として後に税金を軽減する、つまり住んでいる場所の他に納税できるという制度です。
各自治体が「寄附のお礼」として、地元の特産品を提供し、「寄附したお金は税金を払った
扱いになる上、物が貰える」という事で、あまり節税対策等に縁が無かったサラリーマンを中心に、
お得な制度として近年脚光を浴びています。
平成20年に寄附した人(確定申告者ベースで換算)が約3万人だったのに対し、
平成25年に寄附した人は4倍強の約13万人となりました。
寄附の総額を比較してみると、2倍止まりとなっている事から、控除可能額は個人の税額に比例するため、
裾野が広がり、寄附している所得層が拡大しているように感じられます。
◆税制改正でさらに利用増加か
寄附者の増加は、今年の税制改正でさらに勢いがつきそうです。
住民税寄附金税額控除の特例分が、旧来は住民税所得割額の1割が上限でしたが、2割へと引き上げられました。
今まで少額しか控除されなかった方、たとえば年金暮らしのお年寄りの方でも、
控除上限までの寄附をして、お礼の品が貰えるようになりました。
◆自治体も工夫をしている
魅力ある「お礼の品」もさることながら、目的別の寄附を募る自治体も増えています。
美術館の新設や、桜の保護、犬の殺処分をゼロにする、商店街のにぎわいを取り戻す、
ハンドボール中学選手権の存続、難病治療研究等、ふるさと納税の寄附によって、
地元NPO法人や各団体とタッグを組み、魅力ある街づくり、社会的意義の高い寄附を目指しています。
もちろん、地場産業を支えるお礼の品の提供も、立派な地域振興ですが、
自治体が国民に取り組みをアピールするという、総務省が掲げるふるさと納税の意義を鑑みると、
自治体にはクラウドファンディング型の寄附プロジェクトを、もっと考えて、増やして欲しいところです。
◆会社の休眠とは?
営業を現在はしていないが、いつか営業を再開するかもしれない。
そんな会社を「休眠」させる事ができます。
「異動届出書」に休眠である旨を書き、税務署・都道府県税事務所・市役所に提出する事で、
休眠会社にする事ができます。
◆休眠のメリット
会社の休眠は、会社の解散に比べて、清算手続をしなくて済みますので、圧倒的に手続きが簡単です。
休眠中も税務申告を行う必要がありますが、当然休眠中ですから、
損益ゼロという場合もあるでしょう。
実際には休眠中は税務申告をしないケースも多々あるようです。
しかし、税務申告をしないと、青色申告が取り消されたり、様々な許認可や、
復活後の取引に影響が出ることもありますので、いずれ復活させたいと考えるなら、
休眠中も申告をした方が良いでしょう。
また、休眠中の法人でも、地方税の均等割は支払わなければならないのですが、
まったく事業を行っていない(銀行の預金もない場合など)と認められれば、均等割を免除されるケースもあります。
◆休眠から12年でみなし解散
株式会社であって、最後の登記の日から12年を経過すると、
「事業を継続している場合は、公告及び通知の日から二カ月以内に事業を廃止していない旨の届出を
本店所在地所轄の法務局に提出すること」を要請されます。
この届出をしないと、法務大臣が解散したとみなす事ができます。
解散登記がなされて放置しておくと、3年後に清算結了登記がなされて、会社自体が無くなってしまいます。
登記されている本店所在地に「廃止していない旨の届出の提出」の要請が来るので、
登記や税務申告を放置して本店移転をしていると、公告・通知がなされた事もわからないといった場合があります。
◆休眠から目覚めさせる時
休眠状態の会社を復活させる際は、休眠時と同じように税務署・都道府県税事務所・市役所に届出を提出します。
休眠中、無申告であった場合は青色申告が取り消されていますので、
事業年度開始時に青色申告の申請を忘れないようにしましょう。
◆高齢者層から若年世代への早期移転
近年の資産税は「高齢者層から若年世代への財産の早期移転」を促す改正が相次いでいます。
特に平成27年からは、「直系尊属」から「直系卑属」への贈与について大胆な軽減措置がいくつも施行されます。
◆特例税率~直系尊属から成人者への贈与
まず、平成27年1月からの贈与から既に適用されている「特例税率」が挙げられます。
平成27年分以後の贈与税率は、「一般税率」と直系尊属から20歳以上の者への贈与に対する
「特例税率」の2つに区分されました。
この「特例税率」は「一般税率」に比して累進度が緩和された軽減税率です。
◆住宅取得等資金の非課税制度の延長・拡充
また、平成27年改正では「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」措置が
平成31年6月までに延長されるとともに非課税金額も拡充されています。
今回の改正の特徴は、「住宅取得資金非課税限度額」(消費税8%契約・中古住宅の個人間売買)と
「特別住宅取得資金非課税限度額」(消費税10%契約)の2つの非課税枠が設けられたことです。
これは消費税率改訂時の住宅需要へのインパクトを緩和するために消費税率10%が適用される
契約がされる時点での贈与について別枠を設けたものです。
このような非課税限度額が「8%契約」「10%契約」と別枠で設けられていますので、
8%契約で購入した家屋を、後に10%契約でリフォームした場合等はこの非課税枠を「ダブル」で適用することができます。
◆結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税
また、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税」制度の
「結婚・子育て」版が設けられました(平成27年4月以後の贈与から適用)。
こちらは、直系尊属が子・孫等の結婚・子育て資金を金融機関に信託・預入等をした金額のうち
1,000万円までは非課税とする制度です。
◆複数の非課税制度を適用した場合
これらの「直系尊属」からの贈与の特例を最大限適用した場合、教育資金贈与非課税(1,500万円)+
結婚・出産資金贈与非課税(1,000万円)+住宅取得資金非課税(H27優良住宅・1,500万円)+
特別住宅取得資金非課税(H28.10~H29.9・優良住宅3,000万円)=7,000万円が非課税となります。
確定申告も終わり、ほっとしている方も多いと思いますが、これから個人事業を始めようとされる方へ、
開業にあたっての留意点です。
個人事業は法人設立と違って簡単に始められそうですが、個人事業者の場合であっても、
税務署へは様々な届出が必要となります。
開業届や青色申告の承認申請、専従者のいる場合には青色事業専従者に関する届出など、
片手ではおさまらないほどの書類の提出が必要です。
◆原則的な効力発生は
新規に開業した場合、多くの書類は開業後1~2ヶ月の間に提出すればよいことになっています。
例えば青色申告の承認申請は開業後2ヶ月以内に提出すれば、開業の年から青色申告者として
確定申告をすることになります。
つまり開業後1~2ヶ月の間にこれらの書類を提出すれば、開業時点から各規定が適用されることとなります。
◆例外的な規定
その1 源泉徴収の納期の特例
従業員に給与を支払うような場合には所得税を源泉徴収し、その翌月10日までに国に納付することとなっていますが、
給与の支払を受ける者が常時10人未満である事業所等については、申請書を提出した場合には
特例としてその納付を1月(7~12月分)と7月(1~6月分)の年2回とすることができます
(これを源泉徴収の納期の特例と言います)。
例えば4月1日に開業して開業と同時にその申請書を提出したような場合には
4月分から6月分の給与に係る源泉税をまとめて7月に納付すればよいと考えがちです。
ですがこの申請書は提出月の翌月末日に承認がされるものとなっておりますから
4月1日に提出した場合、特例の効力発生は5月31日となり、1回目の納付日である5月10日は特例の適用が受けられず、
4月分の源泉税を納付しなくてはなりません。
その2 消費税課税事業者選択届
この届出は、開業した年の12月31日までに出せばよいこととなっております。
しかし、開業時に多くの届出を済ませてしまいますから、開業から12月31日までにかなりの間隔があると、
ついつい忘れてしまう場合があります。ご留意ください。
2015年度税制改正において、地方創生を推進するための施策の一つに、
ふるさと納税の促進策が盛り込まれております。
個人住民税の特例控除額の上限の引き上げを行うとともに、
確定申告が不要な給与所得者等がふるさと納税を簡素な手続きで行える
「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を創設し、これとあわせて、地方公共団体に対し、
返礼品等の送付について、寄附金控除の趣旨を踏まえた良識ある対応を要請しております。
ふるさと納税は、自分の生まれた故郷だけでなく応援したい自治体など、
どの都道府県・市区町村に対する寄附でも対象に、寄附金のうち2,000円を超える部分について、
一定の上限まで、原則として所得税・個人住民税から全額が控除されます。
具体的な控除額の計算は、所得税「所得控除額(寄附金-2,000円)×所得税率」が軽減され、
個人住民税の基本部分として「(寄附金-2,000円)×10%」が税額控除されます。
さらに、控除できなかった寄附金額を、個人住民税の特例分として
「(寄附金-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税率)」との計算により全額控除します。
この特例控除額の控除限度額は現行1割ですが、2016年度分以後の個人住民税から2割に引き上げられます。
また、ふるさと納税による控除を受けるためには、寄附をした翌年に確定申告を行うことが必要でしたが、
2015年4月1日以後は、確定申告が不要なサラリーマン等の寄附については、
5つの自治体までならば申告不要とする「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設されます。
ただし、6ヵ所以上に寄附する場合には、従来どおり、すべての寄附の受領書を添えて確定申告する必要があります。
なお、地方公共団体に対しては、ふるさと納税について、寄附金が経済的利益の無償の供与であることや、
寄附金に通常の寄附金控除に加えて特例控除が適用される制度であることを踏まえ、
豊かな地域社会の形成及び住民の福祉の増進に寄与するため、
都道府県・市区町村がふるさと納税に係る周知、募集等の事務を適切に行うよう要請しております。
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