トピックス&ニュース

2014/03/27お墓は「相続」されるのか?

◆お墓は遺産にあらず


相続では財産の承継のみならず、お墓を誰が守るかでも揉めることがあります。

これは、どのように決まるのでしょうか。
民法は、祭祀財産を遺産として遺産分割の対象とするのではなく、

別の規定に基づき祭祀主催者が承継すると規定しております。

祭祀財産の種類は、系譜、祭具及び墳墓であり、お墓は「墳墓」に該当します。

なお、遺骨は、これ自体は祭祀財産ではありませんが、判例は、慣習に従って祭祀を主宰すべき者に帰属するとしています。


◆祭祀財産とは何か


祭祀財産は、遺産分割の対象外である上に、差押禁止物であり、かつ、

相続税のかからない非課税財産です。

これらはわが国の祖先崇拝という習俗等を考慮したものですが、その趣旨を逸脱して、

専ら、脱法的な、あるいは、鑑賞の目的のために、祖先祭祀という趣旨を逸脱し、

または、その機能が既に失われた場合には、通常の財産・遺産として扱うべきです。


◆誰が承継することになるのか


祭祀財産の所有者(被相続人)が死亡すると、祭祀主催者がこれを承継します。

祭祀主催者は、以下の通りに決まります。


①被相続人の指定(生前行為でも遺言でもよく、口頭・書面、明示・黙示のいかんを問わない)があればその指定に従う。
②①の指定がない場合は、慣習に従う。
③①の指定も②の慣習でも明らかでない場合、①の指定や②の慣習の有無やその内容等に争いがあるような場合は、

家庭裁判所が指定(審判)する。
③の指定の基準は、判例により、「承継候補者と被相続人との間の身分関係や事実上の生活関係、

承継候補者と祭具等との間の場所的関係、祭具等の取得の目的や管理等の経緯、

承継候補者の祭祀主宰の意思や能力、その他の一切の事情

(例えば利害関係人全員の生活状況及び意見等)を総合して判断すべきである」とされています。
 

2014/03/26ゴルフ会員権等売却損の損益通算打ち切りへ

2014年度税制改正大綱において、「譲渡損失の他の所得との損益通算及び

雑損控除を適用することができない生活に通常必要でない資産の範囲に、

主として趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権等)を加える」

ことが盛り込まれました。これは、2014年4月1日から適用されます。


これにより、ゴルフ会員権等の売却損と他の所得との損益通算が打ち切らます。


ゴルフ会員権以外にもリゾート会員権などが対象となる模様ですが、

改正前は、ゴルフ会員権等を売却したときの所得は譲渡所得として

事業所得や給与所得などと合わせて総合課税の対象となり、

譲渡損失が出た場合には、事業所得や給与所得など他の所得との損益通算ができました。


過去には、損益通算による還付金額を試算して含み損のある

ゴルフ会員権を買い取るスキームが横行したこともありました。
所得税法では、他の所得との損益通算及び雑損控除ができないものとして、

次のものを具体的に列挙しております。
 
①競走馬その他射こう的行為の手段となる動産
②通常自己及び自己と生計を一にする親族が居住の用に供しない家屋で

主として趣味、娯楽または保養の用に供する目的で所有するものその他主として

趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産
③生活の用に供する動産で(施行令)第25条の規定に該当しないもの


上記③は、譲渡所得について非課税とされる30万円以下の宝石、

書画、骨董などを含む生活用動産ですが、今回の改正によって、②の範囲に

「主として趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産」が加えられ、

具体的には、ゴルフ会員権やリゾート会員権などの動産をいいます。


適用となる2014年4月以降は、上記の条文に規定する競走馬や別荘などを売却した場合と同様に、

分離課税に移行され、他の所得との損益通算や雑損控除ができなくなりますので、

該当されます方は、ご注意ください。


なお、法人が所有するゴルフ会員権等は、これまでと変わらず、

売却損を損金計上することができますので、あわせてご確認ください。

2014/03/19在職老齢年金の仕組み

◆60歳以後に働くと年金はカットされる?


60歳の定年を迎えてもすぐに年金が満額受給出来ない時代に入り、

継続雇用を希望される方が多いのですが、働き方によっては年金の減額や支給停止になる事があります。

この仕組みを「在職老齢年金」と言います。しかしたとえ年金がカットされても

働いて給料と年金の両方を受けとる方が年金だけの収入より合計収入は多くなります。


◆定年後も厚生年金に加入すると


60歳以後厚生年金に加入しながら、老齢厚生年金を受給すると年金基本月額と給料、

過去1年分の12分の1の賞与額に応じて、金額の一部又は全額が支給停止となる事があります。

但し、在職老齢年金は厚生年金に加入した時に調整が行われるので加入していない時は

年金の減額や支給停止はありません。


これも1つの選択肢でしょう。


◆厚生年金が適用されない働き方


厚生年金に加入しない働き方は次のようなものがあります。
1.1ヶ月の勤務日数、又は1日の労働時間を常用の労働者の4分の3未満に短くする
2.厚生年金に加入していない勤務先で働く(例えば従業員5人未満の個人事業所等)
3.自営で経営し、法人化していない


◆在職老齢年金計算の仕組み


在職老齢年金は①65歳未満の方、②65歳以上の方の2つの計算方法があります。
①の場合、年金基本月額と標準報酬月額と過去1年の標準賞与額の12分の1の3つの合計額が

28万円を超えなければ支給停止されません。

28万円を超えた時は超えた額の2分の1が支給停止となります。

(年金月額が28万円以下、標準報酬月額と賞与の12分の1の合計が46万円以下の場合)
②の場合は老齢基礎年金と経過的加算額は給料額にかかわらず全額支給されます。

又老齢厚生年金の12分の1と標準報酬月額と賞与の12分の1の合計が46万円以下の場合は全額支給されます。

46万円を超えた場合は超えた額の2分の1が停止されます。

年金の支給額は賞与の額に影響されます。

70歳以降働いていれば同様の扱いです。


◆60歳以後厚生年金に加入する方が得か損か


ケースにより判断は分かれますが、大切な事はまだまだバリバリ働きたいのか、

ゆっくりと働いきたいか、又は退職したいのかをしっかり考えてみる事が前提でしょう。
 
 

2014/03/12成果主義の問題回避

目標管理制度で、“成果主義”の評価が陥りやすい代表的問題として


・短期的に達成可能な、達成しやすい目標設定に走り、挑戦意欲が失われる。
・自分だけの評価を高めるために、情報やノウハウを隠す傾向が出て、チームワークが阻害される。
・目標を設定した業務領域に集中するあまり、その他の業務がおろそかになる。

(“マルチタスク問題”と言われ、「製造業の生産量と品質、運送業のスピードと安全」など

一方を重視すると、他方が軽視されるトレードオフ関係にある場合に生じやすい。)
が挙げられます。


言い換えれば、それらは“結果主義”に陥る結果として引き起こされる問題である、とも言えます。


◆問題回避、トップの方向付け


これらの問題を回避し、目標管理制度に本来の戦略目標達成のための

業績管理機能を発揮させるには、トップの立場で次の点を徹底することが重要であり、

自分の言葉に置き換えて、役員・社員各層に意思表示、方向付けを行なうべきです。


1.予め、 経営管理・人事部門など、目標管理制度の仕組みを構築する部門に対し、

現場の問題事実を吸い上げ、特に社員の意識、行動に重要な影響を与える評価制度の設計、

運用に留意して制度づくりを行なうよう、かつ評価者研修等関連施策を実施するよう指示する。


2.管理者・社員を対象とし、目標管理制度の仕組みと次のような運用方針を示す。


(1)管理職・社員はそれぞれの役割に応じて戦略目標達成への重要な貢献を行なうよう、

ストレッチな目標(手を伸ばして、ようやく手が届くレベルの目標)を設定して、挑戦して欲しい。


(2)戦略的に特に重要なテーマは複数部門の協力体制で取り組むため、

チームワーク重視で取り組んで欲しい。


(3)挑戦的目標へのチャレンジとその成果は、実績に応じて高く評価する。


(4)評価の公正性、納得性を重視した運用が、重要であることから、

目標管理制度・評価制度の運用に係わる全管理者は、ルールを守って(=公正に)、

かつ誠実な評価と被評価者へのフィードバックを実施する。
 

2014/03/08H26.4.1から5万円未満が非課税に 領収書等の印紙税が変わります

◆『領収書』と『領収証』はどちらが正しい?


『「領収書」と「領収証」はどちらが正しいのですか?』と聞かれることがあります。

結論的には、どちらの表現でも通用しますが、民法上の『受取証書』として意識するならば、

『領収証』の方がしっくりくるでしょうか。


例えば民法では売買契約を行った場合、売手側は商品などの目的物の引渡義務、

買手側は代金支払義務が生じます。

これらの義務が履行されたとき、すなわち商品を引き渡したときや、金銭を支払ったときは、

①二重払いの防止(積極的機能)、

②債務を弁済したという証拠(消極的機能)の観点から、

相手から『受取証書』の交付を請求することができるとされています。

このうち金銭の受取りに関するものが『領収証』といえるでしょう。

従ってレシートも『領収の証』を示すものですので、上の『受取証書』の役目はキチンと果たしている訳です。

最近のレシートは品名、店名、日付といった詳細な情報が記載されていますので、

手書きの領収証より経理処理の判断がしやすいといった場面も多々あります。


◆H26.4.1より領収証は5万円未満が非課税!


この『領収証』等の印紙税の取扱いについて、従来より記載された受取金額が3万円未満のものが

非課税とされていましたが、H26.4.1以降に作成されるものについては、

受取金額が5万円未満のものについて非課税とされることとなりました。
 


◆今回の印紙税改正の背景は?


印紙税は国から見れば1兆円前後の貴重な財源なのですが、

近年のIT 化の進展に伴い電子商取引等が増大すると、同じ経済取引であっても文書については課税されるが、

電子商取引等については課税されないという課税上の不公平が生じてきました

(電子取引やペーパレス化が進んでいない中小企業に印紙税負担が偏りつつあるとの指摘もあります)。

これに対して日本税理士会連合会などの各種団体から、時代に合わせて、

課税文書の範囲を縮減するなど印紙税のあり方について検討すべきだとする要望が出ていました。

今般の改正は、消費税率8%の改正時期であり、さらに10%への引上げも控えていますので、

その実務へのインパクトも考えての改正であったのかもしれません。

金融機関の振込手数料の料金区分も3万円で変わるものが多いですが、こちらも見直されると良いですね。
 

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